オーストラリアでの経験

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Kangaroo


遡ること高校1年生。夏休みに高校の語学研修(語学研修という名の観光)で、オーストラリアのブリスベンに2週間行ってきました。その時のホームステイ出会った家族が、私の興味に変化を与えました。

 

出発当日、直行便でゴールドコーストまで飛ぶ予定だったのですが、さすが海外のLCC。トラブルで次の日の出発になりました。初めての海外だったので正直ほんとに怖かったです。次の日無事現地に到着したのですが、それがまた夜。オーストラリアと言えど夜は真っ暗でした。

 

そしてついにホームステイ先の家族とご対面。私はその時、驚きました。当時私は、オーストラリアには欧米系オーストラリア人ばかりだと思っていたので、アジア系の人達が来たときに衝撃を受けました。あーこれが海外なんだと。海外に来たなと。今まで日本という狭いコミュニティで育ってきた人間には驚きの光景でした。

 

彼らはスリランカからの移民。家族のお父さんやお母さんがオーストラリアに移住してきた頃、当時スリランカは内戦まっただ中だったらしいです。シンハラ人とタミル人の対立ですね。当時の私の知識では彼らにどの民族かを尋ねることができませんでしたが、今考えると食生活や彼らの普段の生活から察するに、彼らはヒンドゥー教徒のタミル人の可能性が高いです。シンハラ人の政府対タミル人の反対勢力という構図でしたが、反対勢力に加担していない一般のタミル人達も被害を受けました。そしてアジア各国や他の地域の国に避難した難民が多く居ます。彼らもその一部だった可能性が高いです。

 

そして人間の国際移動に関する私の興味はここから生まれました。とても優しい家族だったので、なぜこのように素晴らしい心を持った人達が祖国から避難しなければならなかったのか、他に世界ではどのような人の移動が起こっているのだろうか、もっと詳しく知りたいと考えるようになりました。そこから受験勉強を乗り越えて希望の大学に入学し、晴れて自由に勉強が出来るようになった訳ですが、基本的に授業から学び取るのは苦手な性格で、書籍や論文を読んだり記事を探しながら知識を深めていきました。

 

特に東南アジアの経済や労働、そこでの移民の国際移動について興味がありますが、人の国際移動と言っても決して移民や難民だけではありません。留学生である私も国際移動をした内の1人です。その中で、人は何かを求めて移動していると言うことに気付きました。より良い教育を受けるため、より良い職に就くため、危険から避難するため、理由は様々ですが、全てにおいて何かを求めています。早稲田大学のファーラー教授も「『人の移動』は自由の象徴の1つ」、「自由な移動は、すべての人に保証されるべき基本的な人権だ」と述べています。この点に着目して私は東南アジアでの経済・労働問題、移民について勉強してきました。

 

じゃあなぜお前はベルギーで勉強しているんだと言われそうですが、ちゃんと理由があります。それは東南アジアの多くが昔ヨーロッパの国の植民地であった頃に形成された、移動に関する法律や制度の歴史が今の東南アジアでの状況を考察する上で重要だと考えているからです。それを留学先の大学で学ぶことができると知りました。東南アジアではありませんが、ベルギーもまたアフリカ中央部のコンゴに実際植民地を持っていました。そしてもう1つの理由としては、アジア以外の地域に出て、アジアとは異なる地域での現状をこの目で見てみたいと思ったからです。来て正解でした。ベルギーには多くの移民が居ます。昨今の中東の政情不安の中で多くの難民や移民がヨーロッパに流入しています。またそれらに関する議論が活発に為されています。決してそのまま応用するという訳にはいきませんが、ヨーロッパで学ぶ事をどうにか生かしたいと思います。

 

テストも近いので大まかにしか書けませんでしたが、自分の興味分野について理解して頂けたら幸いです。それと環境経済学にも私は興味があるのでそれについても詳しくまた書きたいと思います。