From Integration to Equality (イベント)

お久しぶりです。大きなテストがあり、その勉強に忙しかったので最近あまり投稿できていませんでした。

 

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at BOZAR

今回はブリュッセルのBOZAR(芸術の施設で、大きなコンサートホールや展示室があります)で行われたイベントで参加してきました。ブリュッセル自由大学のProf. Dr. Ilke Adamによる、移民や難民の社会統合やそれに関する政策に関しての講演でした。

 

その講演の中で特に印象に残ったのは、ヨーロッパにいるアフリカ出身の移民達に対して取られた1つのアンケートです。働く際などに「出身を理由に社会的に差別を受けたことがあるか」という質問で、男性は79%、女性は81%にまで達していました。出席していたアフリカ(国は覚えていません)出身の男性も、「自分は英語もフランス語も流暢に話せるのにアフリカ出身の移民というだけで差別を受けた」と話していました。EUは新しく入ってくる移民・難民に関する制度は整えているものの、現実社会で起こっている倫理的な問題にはあまり目を向けられていないのです。元々宗主国であり、移民・難民が多いベルギーですらこのような問題を抱えているわけなので、他国での状況はよりひどいものとなっています。

 

また現在のスウェーデンでの状況が、今のヨーロッパの現状を特に物語っています。以前はヨーロッパの中でも指折りの、移民・難民に対して寛容な国でした。しかし今は風向きが変わってきており、9月の選挙では反難民で右派のスウェーデン民主党議席数を伸ばしました。かつては偏見を持たれていたこの政党が躍進したのには、やはり現在の福祉、治安に対する国民の懸念があるからだと思います。これまでと同じように多くの移民・難民を受け入れていくとよりその問題が悪化すると考えている人も一定数いるのです。こういった問題はスウェーデンだけでなく他国でも露呈してきています。今年開催されたEUサミットでは、難民か不法移民かを判断する施設を設置することなどで合意がありましたが、移民・難民問題はすぐに再び議論されなければいけないことでしょう。

 

こういった講演に出席してみるのもいいですね。違った観点が得られます。授業とは違い、わざわざ講演をしに来て頂いている訳なので、熱量がすごいです。また、聞きに来ている人達も、ジャーナリストや学生、会社員、アフリカやメキシコからの移民の人達、と本当に多様でした。これからも積極的にいろんなイベントに出てみたいと思います。

 

そして無事に留学期間の延長が決まりました。後期にはより専門的な授業が揃っており、あと半年も好きな事を学ぶ事ができるなんて最高です。認めて頂いた大学の方々、そして何も反対せずに後押ししてくれた両親には本当に感謝しています。留学に来てその中で将来何をしたいのかが徐々に明確になってきているので、残り半年間でそのまだぼやけている夢をはっきりさせられるように頑張ります。