ボランティア②

前のブログでも書きましたが、現在ギリシャの首都アテネでボランティアを行っています。今回は初週を終えて感じたことを書いていきます。

 

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リカヴィトス山から望むアクロポリスアテネ市街

ボランティア初週を終えましたが、一週目はとにかく必死でした。難民の人達と近くで対面して話す機会は今までほとんど無かったですし、実際に話を聞いていると胸が痛む内容ばかりで正直辛いときもありました。シリア内戦。女性差別。政治的理由による迫害。などなど。ニュースなどである程度、そういった問題が起きている事は把握していましたが、実際に被害を受けた当事者である方々の話を聞くと状況はより深刻であることが分かりました。

 

トルコから来た男性は経済学の博士号を持っており、トルコ政府と仕事をしていました。しかし2016年に起きたクーデターに加担したと疑われ、政府に迫害を受け、ギリシャに避難。そして現在は難民となりました。このクーデターの後にエルドアン大統領は大粛正を行い、多くの司法・軍関係者、警察官、公務員が職を失いました。彼はその一人です。これはあくまで一例ですが、移民・難民の中にはこのように高いスキルを持った人が多くいます。

 

大人だけでなく子供達も問題を抱えています。トルコから来た子はギリシャ語について行けずドロップアウト。シリアやアフガニスタンから来た子供達はそもそも学校に通った事がありませんでした。彼らはそもそも学びの場で何をしたら良いのかの分別が付かないので、周りの子供よりもかなり注意散漫です。学ぶ以前に、どう振る舞うかを教える必要がありました。

 

アテネは人種のるつぼです。様々な国や地域から来た人達が生活しています。到着するまでは正直こんなに興味深い街であるとは思っていませんでした。実際に訪れて生活してみると、世界各地から人が集まっているのを感じます。様々な文化が混じり合い、まさに世界都市です。そして世界で最も古い都市の一つでもあり、その歴史は紀元前にまで遡ります。街には至る所に遺跡があり、古代の面影を感じさせます。

 

とにかく様々なことを考えさせられた1週目でしたが、多くの人に支えられました。今回お世話になっている団体には、心理学のエキスパート達や多くのボランティア経験者がいます。分からない事があっても最年少の僕に丁寧に説明してくれました。週2回ミーティングがあるのですが、そこでも活発にフィードバックをくれました。そして同じ時期にボランティアを始めた、イギリス人とインド人の2人にもとても感謝しています。毎晩ボランティアや互いの国のことに関して語り合い、とても充実した時間を過ごせています(2人ともネイティブなので英語力もアップ笑)。残り1週間しか残っていませんが、真摯に移民・難民の人達、そしてその子供達と向き合い、最善を尽くしたいと思います。そして様々な事を学んでこれからの勉強に生かしていきたいです。